PiKVM を使って基本操作が出来ていたことに安心していました。PiKVM は iso イメージも使えるし、OS のインストールもリモートで出来るし便利だよね!と思っていたのですが、まさかの問題がありました。 Ubuntu 21.04 のイメージなどを転送してセットしようとしたところ、以下のエラーメッセージが表示されました。
PiKVM では現状、 2.2GB を越えるイメージサイズは使用できないのです。作者の方も将来的には対応したいといっているので、期待したいところではあります。
起動イメージとして使えないだけならまだしも、DVD イメージをマウントできないのは割とダメージがあると私は思います。
iso イメージのマウント
iso ファイルのサイズが小さい場合には問題なく使用可能です。Drive メニューから Select image to upload ボタンを押してファイルを転送し、ファイルを選んで、Connect drive to Server を選択します。
これにより、接続先の PC は CD-ROM が入ったと検知します。サイズが小さいものとして 少し前のClonezilla のイメージを使ってみました。
サイズ 2.2GB 以上の iso に対する解決方法
現状 iso ファイルのまま、対応する方法はないとのことです。 しかし、Flash モードを使用してイメージデータを使うという方法があります。この場合、 iso のイメージファイルではなく、 USB メモリイメージを吸い出した形のようなデータを使います。
起動可能な USB メモリを作る
Ubuntu の起動 DVD イメージではなく、 USB メモリでインストールするための準備を行います。これには rufus を使用して、 iso から起動可能な USB メモリを作成します。
USB メモリからイメージを吸い出す
Linux の環境で、USB メモリからイメージを吸い出します。シェルで以下のコマンドでイメージファイルを作成します。 USB メモリ容量全体のサイズでファイルが作成されるので、注意して下さい。
dd if=/dev/sdb of=~/usb-image.img bs=4M
もしコンパクトなイメージを作りたい場合には、こちらの記事を参照して下さい。
PiKVM に転送&マウント
できあがったイメージファイルを iso イメージを転送する手順と同様に、 PiKVM に転送します。その後に、転送したイメージを選択して、 Flash を選択した上で、 Connect drive to Server ボタンを押します。
レガシーBIOS を有効にする
一部の環境では、うまく起動時に PiKVM CD-ROM を見つけてくれないようです。ちなみに私の試した 2台の環境ではどちらも全滅でした。
このとき、UEFI ではなく CSM (Compatibility Supported Module) に切り替えることで、ようやくリモートで外部メディアの振りをした PiKVM CD-ROM から起動することができました。以下のスクリーンショットはそのときに撮影したものです。
CSM を有効化したあとで、PiKVM のメディア接続を実行したときには、上記の通り PiKVM CD-ROM が Legacy のブート順序に出現して選択できるようになりました。このようにさえなってしまえば、無事に先ほど作った USB メモリイメージを起動させることに成功しました。
まとめ
PiKVM を使うと、リモートで OS のインストールも可能!というところは重要な魅力と考えていたので、私も早速トライしたのですが、上記のような様々な課題に出遭ってしまいました。
今回は Ubuntu のイメージで行いましたが、同様の手順で Windows の USB メモリイメージを作れば、リモートでの Windows 再インストールも可能になると考えています。遠く離れた環境のメンテナンスには、これ重要と思います。
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